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パーパス経営とは、企業が社会的責任を果たし、社会的意義を追求することで、経営者、従業員、お客様、社会全体に良い影響をもたらす経営を指します。

 

この記事では、パーパス経営を実践している企業の成功事例を挙げ、パーパス経営を成功させるためのコツについても解説します。パーパス経営を実践したいと考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

パーパス経営とは

 

パーパス経営とは、企業にとってただ利益追求するだけでなく、社会や環境に配慮した事業運営を行うことを目的とした経営手法のことです。企業が自社の存在意義や社会的責任を認識し、社会や環境に貢献しながら事業を行うことで、長期的に持続可能な経営を実現しようとします。

 

また、パーパス経営は、社員や顧客、パートナー企業など、ステークホルダーの利益追求をバランス良く行うことを目指します。

パーパスの成功事例7選!

 

最近では企業が社会的な責任を果たしていくことが重視されており、パーパス経営が注目されています。ここでは代表的な企業である7社+1社の事例を紹介します。

ソニー

引用元:ソニー株式会社公式

 

ソニーグループ株式会社のパーパスは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」です。彼らは「センシング&コンピューティング技術の開発」、「フィルスムーステレビ視聴体験の創造」、「環境に負荷を与えないビジネスモデルの追求」などの取り組みを行っています。

味の素

引用元:味の素

 

味の素は、パーパスとして「できること全てをウマくする。食と健康をつなぐ立場として、食と健康をどこまでも追求する」と掲げています。食事の健康面や味の向上など、食に関することを中心に事業を展開しています。

富士通

引用元: 富士通Japan株式会社

 

富士通は、「わたしたちのパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし世界をより持続可能にしていくことです。」という存在意義を掲げています。

 

このパーパスを実現するために、2021年から新しい評価制度「Connect」を導入しました。この評価制度では、マネジメント層がビジョンを描き、パーパスに向けてどれだけインパクトを与えたかが評価されます。また、個人のパーパスが成長したかどうかも評価の対象になります。

ネスレ日本

引用元:ネスレ日本

 

ネスレのパーパスは、「ネスレは、創業者アンリ・ネスレの精神を受け継ぎ、栄養を中心としたネスレの価値観に導かれ、食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高める製品、サービス、知識を個人と家族の皆さまにお届けするためにパートナーとともに取り組みます」です。

 

ネスレの行っているコーヒーのサステナビリティプログラムは、農村での生活向上を目的として実施されています。このプログラムでは、農村の開発を支援し、コーヒーの長期的な供給を確保することで、高齢化、低収入、気候変動など、さまざまな課題に取り組んでいます。

三井住友トラスト・ホールディングス

引用元:三井住友トラスト・ホールディングス

 

三井住友トラスト・ホールディングスは、証券代行業や不動産業を含む多数の事業を展開しています。掲げられたパーパスは、「信託の力を使って、新たな価値を創造し、顧客や社会の未来を豊かにすること」です。

 

最近では、投資や運用面で方針が定まらない状況や、従来の対応では足りない状況に直面していますが、それに対応するためにパーパスを掲げ、初心に戻ることを決意しました。

 

社長自身も社会貢献について言及しており、このパーパスは組織全体の共通理解を生み出すことになっています。

ナイキ

引用元:ナイキ

 

ナイキのパーパスは、「スポーツを通じて世界を一つにし、健全な地球環境、活発なコミュニティ、そしてすべての人にとって平等なプレイングフィールドをつくり出す」です。

 

NFL選手のキャパニック氏が人種差別抗議で膝をついたことで、トランプ大統領が反発し、NFL側は彼を解雇するという問題がありました。その後、ナイキが2019年にキャパニック氏を30周年キャンペーンに起用。「何かを信じたら、すべてを犠牲にしてでもやろう」というメッセージと共に全世界に向けて動画を配信し、大きな話題になりました。

東京海上ホールディングス

引用元:東京海上ホールディングス – To Be a Good Company –

 

「東京海上ホールディングス」は、創業以来のビジョンである「お客様や地域社会の“いざ”をお守りすること」を貫き、現在ではパーパスの確立に成功しています。

 

同社は保険業を中心に事業を展開しており、パーパス・ドリブン経営を掲げ、CEO会議の開催などを通じて従業員に浸透させています。このような事業展開は、ときに人々の生命にも関わるため、確固たるビジョンによって自社の価値を明確化している成功事例といえるでしょう。

【番外編】ダブルファクトリー

引用元:ダブルファクトリー

 

ダブルファクトリーのパーパスは、「クリエイティビティで世界に喜びと感動の種を撒く」です。

 

ダブルファクトリーは、日本のIT企業であり、IT技術を駆使して社会の発展に貢献している優れた企業の1つです。主にWebアプリケーションの開発やコンサルティングを行っています。近年では、AIの研究開発も行っており、自然言語処理や画像認識の技術を応用したサービスの開発に取り組んでいます。

 

クリエイティビティ(創造性)と世界(グローバル展開)、喜び(クライアント満足)、感動(ユーザー満足)、タネを巻く(社会貢献性)を表現してパーパスを作成しました。

パーパス経営のメリット

 

パーパス経営のメリットについて詳しく説明していきます。

企業のブランドが向上する

パーパス経営を行う企業は、社会的使命を果たすことを重視しています。このような企業は、社会問題を解決するための取り組みを積極的に行っており、その成果が広く知られるようになります。

 

そのため、企業のブランドイメージが向上し、消費者からの信頼を得やすくなります。また、社会的使命を果たすことによって、企業の存在意義が明確になり、ブランドの価値を高めることができるのです。

ステークホルダーから支持される

パーパス経営は企業が利益追求だけでなく、社会や地球環境に配慮した経営を行うことステークホルダーからの支持を得ることができます。ステークホルダーとは、企業に関係するすべての人々のことを指し、顧客や従業員、取引先、株主、地域住民などが含まれます。

 

パーパス経営を推進する企業は、自社の存在意義に対して明確なビジョンを持ち社会課題や環境問題に真剣に取り組むことで、ステークホルダーからの信頼を得ることができます。

従業員のロイヤリティが上がる

近年では、従業員のロイヤルティが上がるというメリットからパーパス経営は注目を集めています。

 

パーパス経営を導入することで企業の目的や意義が従業員に伝えられるため、従業員は自分たちの仕事に対してより意義を感じるようになります。従業員が自分の仕事が社会に貢献していると感じたり、企業が取り組む社会問題に共感したりすることがあります。

 

このような環境では、従業員は企業に忠誠心を持つようになります。良い成績を出すためだけでなく、企業の目的や意義を実現するために尽力することができるのです。ロイヤルティが高い従業員となり、企業にとって非常に価値がある存在となります。

開発が持続可能になる

パーパス経営は、持続可能な開発につながります。なぜなら、社会的な目的を追求することで、企業が行う事業や活動が社会にとって有益になるため、継続的に収益を上げることができるからです。

まとめ

 

パーパス経営が持続可能な成長につながるメリットは多く、今後ますます注目されるでしょう。社会的な目的を追及することで、従業員にもやりがいを与えることができ、企業と従業員の間に信頼関係が築けます。

 

自分が所属する企業や、購入する商品のパッケージに記載されている企業の社会的な取り組みについて、意識を持ってみると良いかもしれません。

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